季節を彩る花ごよみ
季節を彩る花ごよみ(その10)…ロウバイ
「蝋梅」と書いても梅ではありません
12月~2月頃にかけて黄色い花を咲かせるロウバイ。中国原産で、2m~5mほどになる落葉樹です。漢字では「蝋梅/蠟梅」と書きますがロウバイ科に属しており、バラ科であるウメの仲間ではありません。
日本には江戸時代に渡来し、開花時期や花姿が似ていることから、当初は「カラウメ(唐梅)」や「ナンキンウメ(南京梅)」と呼ばれていたようです。やがて中国名の「蝋梅」を音読みしてロウバイと呼ばれるようになりました。
名前の由来には諸説あります。まずは、蝋細工に似た光沢感があり、ウメのようにふくよかな香りがすることから。また開花期が冬であり、陰暦の12月「臘月(ろうげつ)」頃にあたることからという説もあります。
ロウバイの基本種は、黄色い花の中心部が茶褐色。花全体が黄色いソシンロウバイ(素心蝋梅)もよく見かけます。
モノトーンの季節に彩りを添える花は、寒さに縮こまった心身をほっと癒してくれるもの。雪が降る季節に咲く貴重な花木であり、ウメ・サザンカ・スイセンとともに「雪中四友(せっちゅうしゆう)」と称され、文人画の初春の画題として好まれています。
またロウバイは香りの良さでも好まれる花。爽やかでほのかに甘い香りが、やがて来る春本番への期待を膨らませてくれます。ちなみに中国では、ロウバイの花を火傷の塗り薬などに使うのだとか。一方で、種子には命に関わる強い毒性が含まれています。誤ってジャムなどに使用しないように気を付けましょう。
冬の寂しい時期に花を咲かせることから、ロウバイには「慈しみ」の花言葉が付きました。また花が下向きに咲くことから「ゆかしさ」という花言葉も。さらに、春に咲く花たちより一足先に開花することから「先見」「先導」などの花言葉も付けられています。
モノトーンの季節に彩りを添える小さな花
福島県内でロウバイを楽しめるスポットをご紹介しましょう。
まずはいわき市の「フラワーセンター」。約600種類・5万本もの植物を楽しめるスポットで、ロウバイやソシンロウバイが植樹されています。見頃は1月~2月中旬。
https://iwaki-flowercenter.com/
なおいわき市では、「海獄寺」や「忠教寺」といったお寺でもロウバイが見られます。
春の桜で知られる福島市の「花見山」もロウバイの名所。見頃は12月下旬~3月上旬。雪景色の中で見るロウバイは、また違った趣があります。
https://www.hanamiyama.jp/
郡山市で見られるのが「逢瀬公園・緑化センター」。事務所脇のバッタ広場に植栽されています。見頃は2月~3月上旬。
https://ousepark.jp/
鮮やかな黄色の花と冬の澄み切った青空とのコントラストは、実に見事。凛とした美しさの中に、どこか清楚な雰囲気も感じられます。美しい彩りとともに、豊かな香りもぜひお楽しみください。
最後に、当社では下記の検査を行っておりますので、何なりとご用命ください。