きく・ラボ!

ふくしま食紀行

ふくしま食紀行(その10

市町村別の生産量全国一位は郡山市

脂の乗った寒い時期が旬と言われる鯉(コイ)。古来、海から遠い内陸地にとって重要なタンパク源とされていた淡水魚です。福島県は全国的に見ても養殖鯉の生産量が高く、2019年は約830トンで全国2位でした。中でも郡山市は突出しており、2019年の生産量は747トン。実に県全体の8割を占めており、市町村別では全国1位を誇ります。

なぜ郡山市で鯉の養殖が盛んになったのか。その理由は意外にも、安積疎水に関りがあるのだとか。
江戸時代、郡山は雨量が少ない地域だったことから、各地に灌漑(かんがい)用のため池がつくられました。やがて明治時代になり、猪苗代湖から引いた安積疎水によって大規模な開拓事業がおこなわれ、安積平野は一面の田園地帯となります。
この安積疎水のおかげでため池が不要となり、鯉の養殖地へと利用されるようになりました。もともと養蚕の盛んな地域でもあり、鯉のエサとなる蚕のさなぎが手に入りやすかったことも、鯉の養殖が盛んになった理由であると言われています。

「鯉は生臭い」というイメージを持たれることも多い魚ですが、郡山の鯉はミネラルたっぷりの猪苗代湖の水で育っているため、臭みが少なくて身は美しい桜色。あらい(刺身)や甘露煮といった代表的な料理を始め、いろいろな食べ方で楽しむことができます。

美味しくて栄養価も高い鯉に恋しよう

鯉は「薬魚」とも呼ばれるほど、栄養分が豊富。タンパク質、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、カリウム、リン、鉄などを多く含んでいます。また煮汁には、肝臓を丈夫にする作用があるアミノ酸のタウリンが40%も含まれており、脂肪肝の予防にもおすすめです。さらに緑内障などの症状から目を守るルテイン、目の潤いを保つヒアルロン酸、DHA、コンドロイチン硫酸も多く、目に良い食材としても重用されてきました。

こんなにも栄養価が高く、地元でたくさん生産されている鯉。しかし、意外と「日常的には食べないかも」という方も多いのでは。

確かに生産量は全国トップクラスながら、県内での消費量はあまり多くなかったと言えます。そこで郡山市と県南鯉養殖漁業協同組合の連携により、2015年から「鯉に恋する郡山プロジェクト」が始動!プロジェクトでは「郡山の鯉を盛り上げよう」と様々な活動をしていますが、その一環として鯉料理をもっと身近に楽しめる加盟店を増やし続けています。

「旅館や限られた料亭などでしか味わえない」と思われがちだった鯉料理。今では郡山市内の居酒屋や洋食店など、様々なジャンルの飲食店で扱われるようになりました。甘露煮や昆布巻き、鯉カレーといった加工品を扱う販売店も多く、お土産としても重宝しそうです。
美味しくて栄養価も高い注目の鯉。百聞は一食に如かず!地元が誇る鯉に恋してみてはいかがでしょう。

鯉に恋する郡山プロジェクト
https://koriyama-koikoi.com/


※イメージ

 

最後に、当社では下記の検査を行っておりますので、何なりとご用命ください。

● 食品、土壌、水などに含まれる放射能濃度を測定する放射能検査
 しくはこちらから