きく・ラボ!

職人の手仕事~伝統工芸

職人の手仕事~伝統工芸(その4日本甲冑

1000年以上続く神事に欠かせない騎馬武者甲冑

毎年7(1)に開催されてきた「相馬野馬追」。約400騎の騎馬武者が野原を駆け抜ける伝統行事であり、1000年以上の歴史を誇ることから国の重要無形文化財に指定されています。

これほどの数の騎馬武者や馬が一堂に会した祭りは全国的にも珍しいもの。「甲冑武者行列」「甲冑競馬」「神旗争奪戦」など見どころも多いため、祭りの日は全国各地から多くの人が観覧に訪れます。

この神事に欠かせないのが、騎馬武者が身に着ける日本甲冑。そもそも相馬野馬追の起源は、相馬氏の遠祖とされる平将門による軍事訓練であると言われています。つまり相馬野馬追における甲冑は飾り物ではなく、まさに身を守り、戦い抜くための武具なのです。それを実際に身にまとって出陣するためには、甲冑師による専門的なメンテナンスが欠かせません。

全国的にも希少な甲冑師たちが修復・制作

相双地区には工房がいくつかあり、全国でも数少ない甲冑師たちが甲冑の修復や制作をおこなっています。ちなみに一領(2)の部品数は1万個以上もあり、鍛冶、彫金、漆塗り、縅し(おどし)加工などたくさんの工程が必要なことから、新しく制作するには3年以上もかかるのだとか。

こうした伝統文化や技術を守り伝えていくため、1997年に「日本甲冑」が福島県の伝統的工芸品に指定されました。また2022年には、「たちばな甲冑工房(相馬市)」の3代目甲冑師・橘斌さんが、厚生労働省による「現代の名工」に選ばれています。

「相馬野馬追」を観覧する際には、馬や騎馬武者たちの勇姿と併せて甲冑にもぜひご注目ください。

なお南相馬市では、甲冑着付け体験を随時開催 (希望日の2週間前までに要予約)。機会があれば、身にまとってその重みを体感してみてはいかがでしょう。

(1)2024年度からは5月開催に変更となりました。
(2)「領」は一そろいの甲冑を数える際の単位。

 

相馬野馬追
https://soma-nomaoi.jp/

南相馬観光協会(甲冑着付け体験)
https://minamisomakanko.org/

最後に、当社では下記の検査を行っておりますので、何なりとご用命ください。

● 食品、土壌、水などに含まれる放射能濃度を測定する放射能検査
 しくはこちらから